彼が撮ることをやめたいと言った。

ずっと思いながらずっと悩んでいたそうだ。

わたしが離れていくんじゃないか、

自分には何も残らないからと、

そう言っていた。

そうじゃないのに、

そんなわけないのに、

そんな事を言ってしまうほど

彼は思い詰めてしまっていて、

それが悲しくて悲しくて

どうしようもなくて。

 

どうか彼が

自分には何もない、なんて

悩んで眠る夜がありませんように。

 

帰ってきたとき、

外から見えるこの部屋が

明るく照らされていますように。

 

わたしが隣にいる日々が続きますように。

 

ふたりで頑張る、という考えが

当たり前になりますように。

 

ふたりで健全に、豊かに、軽やかに。

 

そうやって生きていけますように。